「デジタル×ものづくり」カレッジ 3期生活動中!

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目次
 1.「デジもの」とは?
 2.今までの活動内容
 3.これからの実習内容
 4.成果発表会について

1.「デジもの」とは?

とよたイノベーションセンターでは、豊田市のものづくり企業の発展のために様々な人材育成セミナーを開催しています。
当講座「デジタル×ものづくり」カレッジ、通称「デジもの」は
・豊田工業高等専門学校の専攻科生との共同で
・1年間15日の定期開催形式
の講座です。2022年度の講座概要リーフレットはこちら。2022年10月現在は3期生が活動中です。

2.「デジもの」3期生 今までの活動内容

そんな「デジタル×ものづくり」カレッジ、通称「デジもの」ですが、3期生がスタートし半年が経ちました。
主にデジタル技術やものづくりの基礎を学ぶセミナーを展開してきた半年間の概要をご紹介します。

■4月 開講案内、自己紹介など
3期生は企業生17名、専攻科生17名、合計34名と、今までで一番多い受講者数となりました。
午前中の内容は、講座説明、前期生の実例紹介、自己紹介など。
午後の内容はセミナー形式で、ものづくり・製造業・DX関連の話を軸に展開。
「製造業における現在の状況と今後の課題」 「DXとはなにか?なぜDXは分かりにくいのか」 「攻めのDX、守りのDX」 「IoT・DX 普及のためには現場の技術者が自ら考えて・自らカイゼンできる仕組みが重要」 「日進工業の先進事例」
これらを聞き、企業生同士で思ったこと、自社での困りごとなどをディスカッションし、グループごとに発表し全体共有しました。
自身で何をしたいのか?を考えて具体的なアイデアの洗い出しをしたり、複雑な仕組みを使わなくても自分の力で実現できるように基礎からステップアップをはかるセミナーや学習が、5~9月ではメインとなってきます。


■5月 IoTデバイス講座(入門編)UIFlowを使ったビジュアルプログラミング
M5Stack シリーズのコンパクトな開発モジュール「M5stickC」を使って、プログラミング言語を使わず、ブロックを組み合わせて視覚的にプログラミング開発しました。
プログラミングブロックに慣れるため、まずはLチカと言われるボタン点滅から始め、徐々に通信機能などIoTに必要なプログラミング要素を学んでいきました。


■6月 IoTデバイス講座(基礎編)Arduinoでのプログラミング
ワンボードマイコンの一種「Arduino(アルドゥイーノ)」を使ってC言語に近い環境でのプログラミングを学習しました。普段の業務でプログラミングに携わっている方・いない方で難易度の感じ方で差は出てしまいましたが、基本的な問題から難しめの内容まで幅広い課題に取組みました。具体的には、「変数の使い方」「シリアル通信」「チャタリング防止」「2進数・関数について」「インターネットに接続する」「ボタンが押された状況をGoogleスプレッドシートに記入」などです。


■7月 原価計算セミナー、IoTデバイス紹介、電子機器紹介
午前は原価計算、いわゆる工業簿記について展開。「なんのために原価管理をするのか」「原価計算とは」を学びました。
午後は決算書目線からの知見を深めました。「貸借対照表、損益計算書とは」「販管費とは」を学び、デジものでの知識で削減できそうな費目はあるか検討しました。
15時以降は企業生のみでセミナーを実施しました。前期生の事例紹介や、センサの紹介を受け、自社や自分の業務で改善したい点やIoT利活用アイデアなどをまとめました。


■8月 IoT事例紹介・テーマ決めディスカッション
今まで考えてきた、「何をどうカイゼンしたいか?」リストの中から、デバイス面から安価に実現できそうなジャンルを運営側であらかじめ10個ピック。
実際のIoT開発事例を紹介。どのジャンルがやりたいか、どう深めていくかをディスカッションし、5グループが決定しました。
グループの人数調整後は各グループで「企画書」を作成しつつ、10月から合流する専攻科生に伝える要旨をまとめました。


■9月 午前:PLC基礎講座
    午後:Node-RED(ノードレット)の基礎講座
午前は、オムロン製PLCを用いて、多くのものづくり企業で採用されているPLC技術の基礎やラダー図の書き方などを学びました。
午後は、新感覚プログラミングツール「Node-RED(ノードレット)」の基礎講座。Node-REDはオープンソースソフトウェアで、機能を記述した「ノード」を画面上において線で繋いだ「フロー」を作るだけで、コーディングなしでプログラムが作れる新しいツールです。Node-redで開発した前期生の事例を、半年間で多く紹介していたため、プログラミング経験がない受講生でもスッと取組めていた印象です。グラフ表示や、Googleスプレッドシートに自動転記など、「見える化」に欲しい機能が手軽に再現可能な点からも、受講生の皆さんは可能性を感じ取っていた様子でした。

3.「デジもの」3期生 これからの実習内容

10月以降の半年間では、豊田高専専攻科生と混成で5つのグループに分かれ、課題解決を目指します。
テーマ指針は2つあります。まずベーシック(汎用)テーマは「企業生たちだけでの開発を目指し、かつ現場で役立つIoT」を目標としたものです。もう一方アドバンスト(応用)テーマは、「専攻科生がメインとなって取り組む、少し難易度の高いもの」です。
各グループのテーマは以下の通り。中でもトレンディなのはD班。2022年10月から道路交通法施行規則の一部改正により義務化された、「アルコール検知器による酒気帯び確認」を自動で出来ないか、というテーマに挑みます。

A
 「三色灯の光を読み取り、通知・見える化」
ベーシック:パトライトの色を読み取ってLINE通知
アドバンスト:不具合が発生した時間・理由を解析、Excel出力

B
 「会議室の入退室状況をQRコードで見える化」
ベーシック:社員証などでQRを読み取って入退室状況把握
アドバンスト:入退室管理、入場制限、入室自動予約

C
 「PLCと連携し、生産進捗システム上での管理」
ベーシック:PLCとIoT機器の連携、設備情報の取得
アドバンスト:生産進捗システムの構築

D
 「アルコールを呼気検知し、データを自動集計」
ベーシック:呼気からアルコール濃度チェック
アドバンスト:計測者のデータをExcel自動記入

E
 「バーコードで読み取った情報を汎用的管理システムで保存し、手書きゼロへ(勤怠管理、予備品管理など)」
ベーシック:バーコード読み取り
アドバンスト:Googleスプレッドシート上での管理システム

4.成果発表会について

各テーマを取りまとめた「成果発表会」を開催する予定です。
 日時:2023年2月上旬(予定)
 場所:豊田工業高等専門学校

・来場での観覧と、ZOOMでのオンライン視聴、二つの方法によるハイブリッド形式
・企業受講生の派遣企業・関連企業など関係者向けの限定開催
として、感染症対策に努めて開催する予定となっております。


*本成果発表会においては、企業受講生の関係者以外の閲覧などは予定されておりませんので、あらかじめご了承ください。

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