令和3年度 成果事例・支援事例

株式会社アイサン ・・・ 食肉(ブロイラー)卸及び加工品製造卸

受注・発注システムの生産性向上
EDI画面のcsv.データをエクセルに変換する場合、当社では期間や曜日ごとに違う条件を設定する必要があり、社長しかできない作業であったため、毎回相当の時間と工数をかけていた。エクセルマクロを使うことで、複数人でこの作業を担当できるようになり、条件設定にかかる作業時間を大幅に削減できた。さらにはデータの演算、指定レイアウトに表示印刷までできるようにした。

【支援効果】
条件設定にかかる作業時間が1回あたり2時間から15分に短縮できた。当初導入を検討していたのは約150万円という高額のソフトウェアであったが、TICのアドバイザー派遣制度活用することで数十万円の費用で当初目的よりも大きな成果を達成出来た。

図1 エクセルマクロ

百五銀行豊田支店 ・・・ 地方銀行

製造業の目利き出前講座の実施と取引先企業の経営支援をサポート
製造業について理解を深め、事業性評価、経営支援に役立てることを目標に、「製造業の目利き出前講座」を実施した。製造業の4M(方法(技術)・機械・材料・作業者)とQCD(品質、コスト、納期)を着眼点として、その基礎知識について説明した。
取引先企業の経営支援では、職員の方に同行し、販路開拓、技術の高度化、新技術開発、新分野進出、補助金等幅広いテーマをサポートした。

【支援効果】
職員の方の製造業に対する目利き力がアップし、取引先企業に役立つ経営支援ができ、製造業支援機関としての高信頼性を獲得できたと思われる。

株式会社ショウホウテック ・・・ 自動車用産業機械製造及び治具・金属部品製作

知的財産権取得のためアドバイザー派遣制度活用
自社内で開発し商品化した製品に関して、TICのアドバイザー派遣制度を活用し、知的財産権保護を目的としたアドバイスを受けられるよう、弁理士に調査依頼した。

【支援効果】
知的財産保護のための申請を完了した。

シーウェーブ株式会社 ・・・ シリカゲル製品の製造・販売

生産性向上支援及び海外展開支援
ものづくり補助金、豊田市デジタル化支援補助金を活用し、梱包設備、その他生産性向上用の設備を導入した。
東南アジアへの工場展開支援として、中小機構の海外展開アドバイザーとマッチングした。

【支援効果】
梱包工程の生産性向上が確認できた。また海外展開を進めている。

図 2 シートシリカゲル

丸加醸造場 ・・・ 食料品製造業(漬物、味噌、醤油、麹などの製造販売)

新事業展開支援
自社製品である発酵食品、味噌蔵などを活用した直営飲食店の開店を事業再構築補助金の活用を通じて支援した。

【支援効果】
2022年4月の開店予定である。

図3 商品一例

株式会社ジャスティス ・・・ 自動装置・省力化機械・環境設備機械の設計・製作

技能講師派遣制度の提案による人材育成支援
外部の講習会に参加させることで技能系社員の育成をしているが、講習会の日程よっては業務の都合上、多数の社員の参加はできないこが課題であった。
そこで、「あいち技の伝承士」「ものづくりマイスター等による指導」等技能講師の派遣制度を提案した。早速、紹介した制度で熟練技能士が派遣され、現場で実技指導を受ける講習が行われた。多人数を対象に自社所有の機械を使用し、企業ニーズに応じた講習を定期的に行っている。

【支援効果】
多くの社員が、技能研修を受けスキルアップすることで、企業全体の技術力とモチベーションの向上が図られている。

図4 実習風景

サトープレス工業株式会社 ・・・ 自動車用精密プレス部品量産工場

IoT機器貸出支援事業
放電加工機の稼働モニタリングを、システム構想から実装、監視体制構築まで伴走支援した。多様な製品金型は全て内製のため放電加工機の稼働負荷は非常に高く、担当者が輪番で夜間まで稼働監視していた。IoT機器の実装支援によって、各担当者のスマホアプリから稼働状況確認ができるようになり、夜勤が削減した。

【支援効果】
IoT活用で生産性が向上し、次の品質管理に繋がる高度なテーマを組織横断的に取り組んでいる。『とよたビジネスフェア2022』でDX推進先行企業として、IoT機器貸出支援事業の成果を発表できた。

図5 支援風景

製造業にための儲かる仕事術 原価計算研修 ・・・ セミナー開催

講師:TICコーディネーターによるセミナー開催
製造業において、原価の基本的な考え方を身につける目的で研修を実施した。講義で知識を身に付け、演習でそれを活用することで実用的なスキルを修得できる内容とした。

【支援効果】
「演習問題により理解が深まった」「原価の出し方の参考になった」「事前配布の資料に沿っての講義が具体的でわかりやすかった」「他社の方々とのグループディスカッションが大変勉強になった」などの受講者様の声を頂いた。

図6 セミナー風景

問題解決力を身につける QC7つ道具実践 ・・・ セミナー開催

講師:TICコーディネーターによるセミナー開催
問題解決・品質管理の活用法を身につける目的で研修を実施した。受講者の方が今後、次世代リーダーとして会社を牽引出来るよう、チームによる実践的な問題解決の進め方が習得できる内容とした。

【支援効果】
「問題解決の方法について、知らないことばかりだったので研修で学べて良かった」「社内でQCをやっているが、今日の勉強でやっと理解できた」「テキストが写真付きで講座の内容がわかりやすかった」「QCの考え方をグループワークで実践出来たので、より深い理解に繋がった」などの受講者様の声を頂いた。

図7 セミナー風景

三井屋工業株式会社 ・・・ 自動車内外装用樹脂部品量産工場

DX推進事業
プレス成形機1台当たり予熱ヒーター20組400個の故障診断を可視化すべくESP32マイコン開発ボード及びAD変換セレクタを組み合わせた一括モニターを、システム構想から製作、実装まで伴走支援した。今後は同社の同型成形機20台全て、モニタシステムを構築することで社内ネットワークを通じて保全室での一括監視が可能となる。

【支援効果】
膨大な点検工数が圧縮するだけでなく、防保全の浸透により予熱不足による成形不良を削減する。緻密な電子工作を通じて、全担当者の技能スキルも向上した。

図8 支援風景

佐野工業株式会社 ・・・ 自動車シート、ヘッドレスト量産工場

DX推進事業
工業用ミシンでシートカバーに縫い付ける樹脂フックの品種間違い、取付け向きの誤り等、目視検査をすり抜けるヒューマンエラーを完全に無くすのは難しく、流出すると取引先の川下工程で組み立て不能となりライン停止し大問題となる。不良品を画像で検出できるよう、ディープラーニングで良品と不良品の画像を学習させ、目視に頼らない合否判断が可能となった。単純形状の製品向けでシステム構築に成功した。

【支援効果】
目視による、複数回のチェック体制が不要となり、外観検査の大幅なコストダウンとなった。
この活動が取引先に認められ、他社が断念した複雑形状のシートカバー部品製作の受注に至った。

図9 支援風景

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